ネットを良く利用されている方は、ここで説明するまでもなく、詳しい仕組みやニュースの内容をご存知かと思いますが、一応説明させてもらいます。
報道によれば、ブラウザーでアクセスするとポップアップが繰り返し表示されるサイトのURLを、掲示板に書き込んだため「不正指令電磁的記録供用未遂」の疑いで、13歳の女子中学生が補導されました。
いわゆるイタズラという分類に感じますが、「不正指令電磁的記録供用未遂」という大層と思われる疑いとのことです。
さらに報道には続きがあり「39歳と47歳の男性2人が家宅捜索を受けた」とのことです。
それでは、この「不正指令電磁的記録」に関する罪について、確認しておきたいと思います。
不正指令電磁的記録に関する罪
コンピュータに不正な指令を与える電磁的記録の作成する行為等を内容とする犯罪(刑法168条の2及び168条の3)。2011年の刑法改正で新設された犯罪類型である。
サイバー犯罪条約加盟のために国内法の整備が必要となったため、2004年に刑法等改正案が提出されたが、同時に共謀罪を処罰するための組織犯罪処罰法改正も含まれており、共謀の範囲が不明確で処罰範囲が広がるとの懸念がされていた。
このため、長らく継続審議になっていたが、2011年の通常国会に、従来の改正案のうち共謀罪の部分を削除して提出し、同年6月に改正案が成立、7月14日から施行。
これを読んで思い出した方もいるのではないかと思いますが、国会中継などで揉めていたような気がします。
その当時揉めていた原因が、今回のような補導などにつながるのなら、少し怖い印象を受けます。
未遂罪について
今回の事件は報道のとおりなら、不正指令電磁的記録「供用未遂」ということで「未遂罪」と思われますが、すべての罪に未遂罪があるわけではありません。
通常は、殺人、窃盗、強盗、詐欺、放火、恐喝などの未遂についてニュースで聞くかと思います。
大きなハッキングやクラッキング、サーバーなどへの損害を与えるようなものならば、未遂でもわかりますが、ブラウザが閉じないループスクリプトのURLを貼ったというレベルでは、今後怖くてなにもできなくなってしまいます。
最近は、悪意がなくて偶々ミスったとしても、わざとだと言われかねない時代(状況)になっているような気がしますので、間違えてこのようなURLを貼っただけでも大事になりかねません。
今後はスクリーンショットも危ういかも
今回の件とは違いますが、ダウンロード違法化規制の拡大について、色々と意見の取りまとめを行っていると報道されています。
著作権侵害のコンテンツが映ったスクリーンショットも違法となるとかならないとか…よくSNSのアカウントでアニメのアイコンを使っていますが、どうなるのでしょうか?
そんなSNS投稿が映ったスクリーンショットを、掲載したらアウトだとすると、怖くてなにも載せられなくなってしまいます。
現在は、まだ確定ではないものの何だか嫌な予感がします。
追記:2019年3月8日
どうも土壇場で、ひっくり返ったようですね…ホットしました。
産経新聞によると、違法ダウンロードに関する項目が削除されるようです。
まとめ
「不正指令電磁的記録供用未遂」の疑いで、13歳の女子中学生が補導
不正指令電磁的記録に関する罪とは
コンピュータに不正な指令を与える電磁的記録の作成する行為等で、2011年の刑法改正で新設されました。
今回は未遂とのこと
殺人、窃盗、強盗、詐欺、放火、恐喝などには未遂による罪があります。
未遂が罪にならないものもありますので、それから考えると、たとえイタズラに見えても上記と同列に扱われるのかもしれません。
コメント
こんにちは。いつも楽しく拝見させていただいてます。この事件知りませんでした。怖いですね。得てして世の中の動きに法律が追いつかないものですが、ネットやPCなどについては取り締まる現場側が追いつかない(技術革新についていけない)ことの証明のような事件ですね。どんどん息苦しい世の中になってる気がします。あのような、解釈でどうにでもなる法律を作ると冤罪も頻発して起こってしまうものだと思います。
コメントありがとうございます。
ちょっとしたミスから容疑をかけられ、HDD内を隅々まで探されて、スクリーンショットで引っかかり……
そんな世の中にならないと良いのですが……