遺伝子組み換え作物(GMO)…利点と気になる点について!

2019年8月25日、26日に、日本が米国の余剰トウモロコシを数百億円分購入というニュースが流れました。

「主食でもないのにどうするんだ?」という疑問や、食品の安全性に関する不安が湧き上がって来た方もいることでしょう。

米国では、トウモロコシの9割以上が遺伝子組み換え作物と言われており、普通に考えて日本の輸入分は、全部でないとしても遺伝子組み換えトウモロコシが大半と思われます。

今更ですが、遺伝子組み換え作物について確認してみます。

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遺伝子組み換え作物(GMO)とは

ここではトウモロコシに限定するのではなく、遺伝子組み換え作物全般についてになります。

遺伝子組換え作物は、作物の遺伝子操作を行い新たな形質が付与された作物のことで、除草剤・病害虫耐性や収穫量の増大などの利点を持っています。

日本において販売・流通が認められているのは、大豆、じゃがいも、なたね、トウモロコシ、わた、てんさい、アルファルファ、パパイヤなどがあります。

世界のGMO生産(2005年現在)
オレンジ色の国:商業化されたGMOの95%以上を生産している6か国
オレンジ色の斜線:商業化されたGMOを生産している他の国。
オレンジ色の点:実験用作物のみ。

 

どんな用途でつかわれるのか?

全てが食品というわけではなく、トウモロコシや大豆は、飼料用になったりします。

トウモロコシ

  • 飼料用
  • スターチ用(異性化液糖、水飴など、製紙、ダンボールなど)
  • グリッツ用(グリッツ、フレーク、菓子など)
  • その他

大豆

  • 製油用(大豆油、脂肪大豆[食料原料、飼料])
  • 食品用(豆腐・油揚、納豆、みそ・しょう油、その他)
  • その他

なたね

  • 製油用(なたね油)

わた

  • 製油用(綿実油)

パパイヤ

  • 食品用

厚生労働省「遺伝子組み換え食品の安全性について」より

 

食品として食べても大丈夫か?

許可している側からすれば、安全と表現するのは当然です。

また、世の中の安全性というものについて、食品にだけ完全な安全を求めても仕方がありません。

しかし、赤ちゃんや育ち盛りの子供に食べさせる食品なら、気にならないわけはありません。

そもそも、害虫が食べないって……

 

害虫が食べて死ぬものを人が食べて平気なのか?

よくこのように言われると思いますが、これについては「遺伝子組み換え食品の安全性について」によれば、以下のように記載されています。

例えば、Btタンパク質※を含むとうもろこしを特定の害虫が食べると死にますが、その仕組みは、害虫の消化管がアルカリ性のため、Btタンパク質が活性化して、害虫の消化管の受容体と結合して作用を発揮するものです。
人の胃は酸性で、消化管にBtタンパク質の受容体もないので、人が食べても影響はありません。

※Btタンパク質とは、Bt(バチルス・チューリンゲンシス)と呼ばれる微生物に含まれる殺虫成分で、これを作る遺伝子が組み込まれて害虫に強い農作物ができます。

まあ、やぎが紙を食べて栄養として吸収できるのに、人間はできないというようなこととイメージ的には同じですね。

 

安全性について考えてみる

現在の知見で安全と思われるということですが、人が管理しているのでミスもあるかもしれません。

また、現在の知見ですので、人体や生態系への影響が数十年後にどうなるかわかりません。

さらに、個人による個体差がありますので、強い弱い、アレルギーの有無などが存在します。

 

どうすれば良いのか?

食に関して不安を持っている方は、割と多いと思います。

個人的な見解ですが、それぞれの不安を排除することは殆ど不可能です。

食品の場合は、加工されてしまえば遺伝子組み換えに限らず、様々な添加物が含まれていても排除できません。

個人のレベルでできることは、「いつも食べていた○○には問題があった」とならないように、同じものを食べ続けないということでしょう。

また、これは基本ですが、鮮度や食品に貼ってあるラベルをよく見て、原材料や原産地、添加物の内容を確認をすることです。

できれば、加工食品や出来合いの惣菜を避けて、自分で素材から料理をすることで安全性は増していきます。

それでも調味料は使いますから、ゼロにはできませんが、だいぶ違うでしょう。

 

まとめ

遺伝子組み換え作物について

作物の遺伝子操作を行うことで、新たな形質(利点)が付与された作物のことです。

大豆、じゃがいも、なたね、トウモロコシ、わた、てんさい、アルファルファ、パパイヤなどの遺伝子組み換え作物について、日本では販売・流通が認められています。

食品で流通するだけではなく、飼料や製油になったりもします。

安全性について、日本では気にする人が多い?

現在の知見で安全と思われるということですが、数十年後にはわかりません。

個人的な見解ですが、食品の場合は加工されてしまえば遺伝子組み換えに限らず、様々な添加物が含まれていても排除できません。

せめて個人のレベルでできることは、同じものばかりを食べ続けないということでしょう。

 

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