音楽を何らかの端末で聞くときに、耳にするのが音声ファイルの形式についてです。
そして、よく聞くのが「WAV形式は音質が良いけど容量が大きい」、「MP3形式はWAVと比較すると大幅に容量が少ない反面、データが劣化する」というようなことです。
劣化と言っても、音質が悪くなるという意味合いというより、人が聞き取れないような形で、一部のデータがなくなり圧縮されるということになります。
しかし、なにがどのように劣化して、音がどのように変化するのか…なんとなくわかりません。
実際に聴き比べると、用意されている音声ファイルの質(レベル)にもよりますが、よくわからない人がほとんどではないでしょうか?
ですから、使い勝手の良いMP3形式がよく利用されるのだと思います。
WAVとMP3の基本事項の確認
WAV
- 読み方は、ウェーブ、ワブ、なお「ウェブ」と呼ばれることもあるようですが、Webと区別する為に使わない方がよいでしょう。
- 非圧縮のため、容量は大きくなります。
MP3
- 読み方は、エムピースリーです。
- データ圧縮するので、容量は原音の10分の1レベルになると言われています。
テスト用の音声ファイルを用意
フリーでダウンロード出来るサイトから、WAV形式の音声ファイルを用意しました。
次に、これを以下のサイトで、MP3へ変換
https://online-audio-converter.com/ja/
さらに、同サイトでWAVへ再変換
WAV→MP3で劣化は理解しても、WAV→MP3→WAVで元に戻ると考える人がいるといけませんので、念のため用意しておきます。
また、今回は、WAVとMP3の違いがテーマで、聞きやすいMP3にするための変換ではありませので、差がはっきり出るように変換させています。
WAVとMP3のデータを見比べる
それでは、Audacity(デジタル・オーディオ・エディタ)で、WAVやMP3音声ファイルを、目で見えるようにして調べてみます。
以下の画像は、用意した「originalのWAV」と、それを変換した「MP3」さらにそれを再変換した「WAV」の3つの音声ファイルの波形を並べたものです。
- 黄フィルター:originalのWAV
- 無フィルター:MP3(オリジナルWAV→MP3)
- 緑フィルター:WAV(オリジナルWAV→MP3→WAV)
少しわかりにくいので、それぞれ拡大します。
赤いフィルターをかけている部分がわかりやすい特徴が見て取れます。
オリジナルWAVでは多くの波があり、濃いブルーの面積が多いのですが、MP3では隙間ができています。
周波数解析をしてみる
これで見ると一発でわかりますので、説明は不要ですね。
オリジナルのWAV
MP3
再変換WAV
MP3の周波数解析ですが、赤く丸く囲っている部分が無くなっています。
また、再変換しても失った情報は戻りませんので、再変換WAVも同じような周波数になっています。
じゃあWAVが良いのか?
MP3で劣化している部分は、人間が聞き取りにくいと言われている音域になります。
光で例えると、プリズムを通して見る光は、虹色に別れて見えますが、その見えない外側にある紫外線のような部分が、間引かれたという感じです。
ですので、気になる方は違いを、直接聴いて確認してみると良いでしょう。
なお、普通の価格のPCに付随するスピーカーで、音の違いを認識することは、音声ファイルにもよりますが、難しいかもしれません。
まとめ
いまさら聞けない、WAVとMP3音声ファイルの違いについて
- WAV(ウェーブ、ワブ)非圧縮のため、容量は大きい
- MP3(エムピースリー)データ圧縮し、容量は原音の10分の1レベル
MP3で劣化している部分は、人間が聞き取りにくいと言われている音域なので、普通はあまり問題になりません。
もちろん、再生している環境にもよります。
さらに、オリジナルWAVをMP3にしたものを、再変換してWAVに戻しても、失った情報は戻りません。
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