最近、日本の平均年収についてこんなに多いのかって思っている人は、自分以外にも多数いるのではないでしょうか?
でも、平均年収それ自体をごまかしているということはないでしょう。
では、周りの人たちがいつのまにか高収入になってしまって、取り残されたのが自分だけなのでしょうか?
平均は実際の中間の値とは限らない
たとえば、5人で考えてみます。
- 200万の年収が1人
- 300万の年収が2人
- 400万の年収が1人
- 1000万の年収が1人
この場合の平均年収は、以下のとおりです。
200+300×2+400+1000=2200
2200÷5=440万
平均440万円となり、この5人の年収のイメージとしては、かなり多い金額のような気がします。
それは、高収入の人がひとりいるので、平均を引き上げてしまっているからです。
5人いる中で、2番目に年収が多い400万の人よりも、平均が上になっているので、変な感じがします。
今の日本では、貧富の差が広がっていると言われており、そのような2極化の状態になると、今回の例のような実態に即していない数値が出てきてしまいます。
グラフで見るとはっきりわかる
5人なので、2山あるように認識しにくいとは思いますが、50人、500人で同じような山ができていると思ってください。
以下の上の図
そうすると平均という言葉でイメージすると上記(下の図)のような、分布に感じてしまいます。
これでは、自分や自分の周りだけが低い年収だと間違った認識になりやすいでしょう。
中央値、最頻値など実は色々ある
中央値
データを大きさの順番に並べて、中央に位置している値
最頻値
データの中で、最も頻度の高い値
先ほどの例で考えると
200,300,300,400,1000
中央値=300万
最頻値=300万
しかし、実際に300万では、中間の値として少し小さい気がします。
気持ち的には、300〜400万の間位になれば、良いのでしょうが…
そこでトリム平均をみてみる
トリム平均
特に大きい、または小さいなど、イレギュラーなデータが入っている場合、一連のデータの値の上限と下限について、一定の割合のデータを省いて、平均値を計算します。
先ほどの例でみると、上下20%ずつ省くと
- 200万の年収が1人 ←省く
- 300万の年収が2人
- 400万の年収が1人
- 1000万の年収が1人 ←省く
これらが
- 300万の年収が2人
- 400万の年収が1人
上記の状態になります。
これらの平均は、約333万円となりますので、先ほどの「300〜400万の間位になれば…」と感じていた値に近いので、イメージ的にも中間の値に感じます。
今回は、5人の例でしたので、20%トリム平均にしています。
スキージャンプなどの採点で利用されるトリム平均
飛型点の採点などで、審判の採点全てを平均するのではなく、最大値と最小値を外して平均を出すことで、極端な採点が入りこまないようにしています。
これからは、新聞やTVなどで平均と表現しても、よく考えてから判断したほうが良いでしょう。
まとめ
日本の平均年収は、実際の中間の値とは限らない
極端に低収入や、高収入の人がいると、実態に即していない平均値が出てしまいます。
平均値以外でも中央値、最頻値などがある
- 中央値
データを大きさの順番に並べて、中央に位置している値 - 最頻値
データの中で、最も頻度の高い値
さらに、スキージャンプなどの採点で利用されるトリム平均も
特に大きい、または小さいなど、イレギュラーなデータが入っている場合、一連のデータの値の上限と下限について、一定の割合のデータを省いて、平均値を計算します。
平均という言葉に惑わされずに、実態をよく見てみましょう。
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