通勤途中や街中で辺りの人々を見回すと、ほとんどの人がマスクをしている光景が当たり前の様になってきたこの頃、スパコン「富岳」によるシュミレーションでその素材によって飛沫防止効果が異なることがわかった。
シュミレーションの結果
ウレタンマスクや布マスクは顔の隙間から出る細かい飛沫に加えて、前に飛ぶ大きな飛沫がマスクを通過して漂う様子が見られた。
一方で、不織布マスクの場合は、顔の周りから漏れ出る飛沫も、マスクを通過しての飛沫もそれぞれ少ないことが示された。
化学繊維が細かく不規則に目が詰まっている不織布マスクは、布マスクやウレタン製マスクより約10倍~100倍目が細かいためだ。
理化学研究所が行った富岳でのシュミレーションによる飛沫の差が解析されていたので、詳細な違いが見たい人は理化学研究所をチェックしてみて欲しい。
つけ方による差も出る
この結果をみる限り、不職布マスクが一番、飛沫を吸い込みにくく吐き出しにくいということが言えそうだが、マスクに隙間がある場合は、発話も咳と同じぐらい空気の漏れがあるという。
不職布だから比較的安心というのではなく、マスクをつけるときは、「鼻」「ほほ」「あご」にすき間ができないように自分にあったサイズを選ぶ事も大切になりそうだ。
マスクの違いによる具体的な差は?
実際に、不職布、布、ウレタンのマスクにはどれだけ飛沫の吸い込みや吐き出しに違いが見られるのだろうか。
もう少し詳しく違いを知りたいという方のために、理化学研究所などと共同で豊橋技術科学大学機械工学系で流体工学が専門の飯田明由教授らが行った、マスク着用時の飛沫抑制効果を富岳を使って数値解析で検証した結果を以下に載せてみた。
- 不職布マスク 吸い込み飛沫量30% 吐き出し飛沫量20%
- 布マスク 吸い込み飛沫量55~65% 吐き出し飛沫量18~34%
- ウレタンマスク 吸い込み飛沫量60~70% 吐き出し飛沫量50%
- フェイスシールド 吸い込み飛沫量小さな飛沫には効果なし 吐き出し飛沫量80~90%
東日新聞の記事を参照
この実験では、吸い込み飛沫量と吐き出し飛沫量がどれぐらいなのか、人間の頭部を型どった人工口腔模型型にマスクを着用させて、人工的に飛沫を生成する装置を用いて、吐き出した粒子数や飛沫の勢いを計測している。
更に、カラオケや飲食時の会話による飛沫も計測した実験では、大声で会話した場合の飛沫量は通常時の9倍、カラオケでは11倍にも増加し、飲食時の歌唱は14倍にもなり、感染リスクが高くなるという結果が得られている。
通勤時や人との接触がある時、一人でランニングをする時など状況によってマスクを使い分けることも必要かもしれない。
まとめ
マスクの素材による飛沫の違い
スパコン「富岳」によるマスク種別の飛沫シュミレーションを行った結果
不職布マスク > 布マスク > ウレタンマスク > フェイスシールド
布マスクやウレタンマスクなどは、色々な種類があり、一概に上記の結果となるかはわからないが、生活状況による使い分けや安全性の判断にはなると思われる。
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