2019年5月21日で、裁判員制度開始の開始から10年を迎えますが、最高裁長官いわく「おおむね順調に歩み続けている」とのことです。
一方では、裁判員候補者に選ばれることで、細かな問題があちこちから聞こえてきます。
決して他人事ではないので、裁判員制度について確認をしておきたいと思います。
裁判員制度の概要
裁判員制度は、日本に約1億人いる衆議院議員選挙の有権者(市民)から無作為に選ばれた裁判員が裁判官とともに裁判を行う制度で、国民の司法参加により市民が持つ日常感覚や常識といったものを裁判に反映するとともに、司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上を図ることが目的とされている。
中略
裁判員制度導入によって国民の量刑感覚が反映されるなどの効果が期待されるといわれている一方
・国民に参加が強制される(拒否権がない)
・志願制ではないため、有権者全員に参加する機会が得られない
・国民の量刑感覚に従えば量刑がいわゆる量刑相場を超えて拡散する
・公判前整理手続によって争点や証拠が予め絞られるため、現行の裁判官のみによる裁判と同様に徹底審理による真相解明や犯行の動機や経緯にまで立ち至った解明が難しくなる
といった問題点が指摘されている。裁判員の負担を軽減するため、事実認定と量刑判断を分離すべきという意見もある。
建前上は裁判員候補に選ばれると、国民に拒否権がなく参加が強制されるとのことですが、そうはいってもというのが現状でしょう。
裁判員をすることで問題がある人も
人手が足りない企業もありますので、裁判員で会社を休むことを良く思っていないところもあるでしょう。
そのような企業の場合、あってはならないのですが、裁判員になり会社を休むことで後に問題が起こったなどのニュースもあります。
また、個人事業を営んでいる場合は、事業に影響することもありますので、気になるところです。
さまざまな家庭の問題や個人の抱える状況により、参加することが難しい人も今の御時世ならいくらでもいるでしょう。
強制参加でも辞退は可能
もともと拒否権がなく強制参加とのことですが、実際にそんなことをすれば生活が立ち行かない人もいますので、以下の事由により辞退の申立てをすることができます。
- 70歳以上の高齢
- 重い疾病や傷害で困難な場合
- 親族などの介護又は養育が日常生活を営むのに必要な場合
- 従事する事業で自らが処理しなければ著しい損害が生じるおそれがある場合
- 父母の葬式などの社会生活上の重要な用務で他の期日に行えない場合
- 常時通学を要する課程に在学する学生(学校教育法第一条、第百二十四条又は第百三十四条の学校)
など
※裁判員法第16条の一般的な事由のみ記載
万一、裁判員候補者に選ばれたとしても、上記のようなケースであれば辞退できる可能性があります。
あくまでも可能性ですので、申し立てれば確実に辞退できるわけではありません。
まとめ
2019年5月21日で、10年を迎える裁判員制度
気になるのは、裁判員候補者として選出された場合に辞退できるのかどうか?
裁判員法第16条より
- 70歳以上
- 重い疾病や傷害で困難な場合
- 親族などの介護又は養育が必要な場合
- 事業で著しい損害が生じるおそれがある場合
- 父母の葬式などの社会生活上の重要な用務
- 常時通学を要する課程に在学する学生
など
※一般的な事由のみ記載
辞退できるかはわかりませんが、これらの事由により辞退の申立てをすることができます。
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